mclean-chanceの「Love Cry」

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憲法学から論じられた集団的自衛権の書

木村草太『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』(晶文社


気鋭の憲法学者による、安保法制に関する、最も平易で内容も充実した論考。

様々な雑誌などに寄稿したものをまとめているので、内容が重複してはいるが、それは筆者が重要と考えているといことだが、一般的にはほとんど論じられることのない、憲法第73条の内閣についての条文から、集団的自衛権を内閣が行使することはできない。ということを論証するくだりが秀逸。

これに対する反論は、是非とも読んでみたいものだ。

最後の市民集会での公演が全体のコンパクトなまとめになっているので、ココから読んでもいいと思う。

集団的自衛権ネッシーにたとえて、コレをあると言ってる人はネッシーがいると言ってるに等しいとする説明は実に明快。

基本は集団的自衛権違憲とする立場だが、そうでない立場の人にも有益な書。

最後の國分功一郎氏との対談はかなり読み応えがありますよ。

あとがきは、安保法制反対デモを行っている人たちと安保法制推進派双方への警鐘。