mclean-chanceの「Love Cry」

はてなダイアリーで長年書いてきたブログを移籍させました。生暖かく見守りくださいませ。

ジャズとは気合いである。という事を痛感せざるを得ない傑作!

Woody Shaw with Tone Janša Quartet(timeless)


personnel ;

Woody Shaw(tp, flh),

Tone Janša(ts, ss, fl),

Renato Chicco(p),

Peter Herbert(b),

Dragan Gajič(drms)


recorded at Studio 44 ,Monster, Netherland, in April 3, 1985

 

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ハッタリやアヤというものから縁遠かったのが災いしたのか、スター街道を歩む事のなかった、ウディ・ショウ。バンドには優秀なミュージシャンが集まっていたのも見逃せません。

 


ウディ・ショウは不運のトランペッターでした。


若い頃にエリック・ドルフィーと共演し、ジョー・ヘンダーソンとともにホレス・シルヴァークインテットのメンバーだったくらいですから、もう実力は折り紙つきだったんですけども、その後、それほど実力に見合った評価がなかったような気がします。


とはいえ、マイルスが引退状態だった時にコロンビアと短期間とはいえ契約してましたから、完全に無視された存在ではなかったんですけど。


本作は、そんなショウが単身オランダに渡って録音したアルバムで、タイトルはなんとも味気ないですが、彼のベスト5には確実に入るであろう、闘魂みなぎる傑作です。


録音のための臨時編成なのか、このメンバーである程度ライブを行った後の録音なのかは、不勉強でわかりませんが、全員、それほど知名度があるジャズメンとは言えませんけども、アメリカからやって来たホンマモノのジャズミュージシャンの気合いと根性の注入が行き渡ったのか、全員が一丸となって燃えに燃えているのが手に取るようにわかります。


とりわけ、トーネ・ヤンシャのテナー/ソプラノ・サックスの熱演はものすごく、A面一曲目の「Midi」(全曲ヤンサの作曲です)のグヒョグヒョなソプラノサックスの演奏は聴いてて血が騒ぎます。

 

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スロヴェニア出身のトーネ・ヤンシャの熱演が本作を素晴らしくしています!


ショウのトランペットも見事という他なく、「畢生の名演」というのは、こういうものなのか。と嘆じる他ありません。


ショウのトランペットはどんなに高揚してもテクニックが乱れず、非常に端正で、それでいて中身がしっかりと充実しており、ジャズを心底愛する人には、たまらない魅力があります。


このクインテットのライヴ録音を是非とも聴いてみたかったですねえ。

 

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