mclean-chanceの「Love Cry」

はてなダイアリーで長年書いてきたブログを移籍させました。生暖かく見守りくださいませ。

菊地成孔を聴く vol.4です!

菊地成孔を聴く vol.4 すべての道は肉でできている(2)

 

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さて、今回はDCPRGの第二期とも言える、『構造と力』、「フランツ・カフカアメリカ』を対象に聴いていきたいと思います。

 

前回の続きです。

 

今回もウィルス感染の現状に鑑み、youtubeでの配信のみとさせていただきます。

 

ライブ配信ではなく、収録したものをあげます。

 

『McLean Chanceの紙のジャズ』にて配信したしますので、チャンネル登録をよろしくお願いします。

 

セットリストは後日、事前に公開したします。こちらをご参加ください。

 

3/20 19:30-22:00 youtube配信

チャンネルMcLean Chanceの「紙のジャズ」で行います。チャンネル登録をよろしくお願いします。

音源はyoutube では流れませんので、事前にご用意ください。

セットリストに、youtubeを貼り付けておきます(ないものは申し訳ございません)。

機材等の問題で配信が遅れる可能性がございますので、ご容赦ください。

 

 

1970年代のジャズを決定づけた傑作!

Chick Corea『Return to Forever』(ECM)

 


Personnel;

Chick Corea(el-p),

Joe Farrell(fl, ss),

Flora Purim(vo, perc),

Stanley Clark(b, el-p),

Airto Moreira(drm, perc)


recorded at A&R Studios, New York City, in February 2&3, 1972

 

 

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本作を決定づけたのは、アイアート・モレイラフローラ・プリムの起用であろう。

 

本作が発売されたのが1972年ですから、2021年時点で49年前のアルバムなのですね。もうそんなになりますか。


よく、「フュージョンの先駆的作品」と紹介される事が多いんですが、それ自体は経済的には間違ってないと思うのですけども、実際の演奏はイメージ以上にゴリゴリであり、それこそ、この前年に発表した『A.R.C』寸前の展開すらあるんですね。


フローラ・プリムの歌をフィーチャーした「What Game Shall We Play Today」は、全体の小休止的な名曲で、コレだけシングルカットできそうなキャッチーな出来映えなので、それがイメージを助長しているのだと思いますが。


本作がそこまで行ってないのは、チックの全体のトータルデザインを考えて演奏している事がとても大きいですし、彼が演奏しているのが、フェンダーローズであるという事があると思います。


この当時、この楽器をここまで効果的に弾きこなす事ができているミュージシャンはちょっと見当たりません。


アンチアメリカの都会、エコの称揚を掲げているであろう、ECMと本作のもつ、まるで南国の澄み渡った青空のような清々しさは、非常にマッチしていたというのもありましたが、そのコンセプトを遥かに超えたポピュラリティとチックの内面にある前衛的な衝動が非常に高次元なところで結実した、とてつもない傑作ですね。


あまりにも売れすぎたので、どこか難癖の一つでもつけたくなりますけども(笑)、文句のつけようのない完璧な作品です。


細かく聴いていると、演奏のミスとか、チックのフェンダーを押さえる音が不必要に入っていたりとかが、あり、そういう辺りが、実はジャズのスタジオ入って一発録りで作っている事を浮き彫りにしていて、むしろ、こんな精巧なものを一発で録音していた事に驚異を覚えてしまうのですが(たったの2日で録音してるんですよね、コレ)。


全体を通じて改めて聴くと感心するのは、アイアート・モレイラのドラムですよね。

 

モレイラはマイルス・デイヴィスのバンドに参加していたブラジル人ですが、チックは短期間ですけども、彼と一緒に在籍していました。

 

ブラジル人にしか叩き出せないグルーヴ感は、明らかに全体のイメージを変え、夜のタバコと酒の音楽が、明るい昼間の音楽に変貌させています。


ココに、あの清涼感あふれるチックのフェンダーフローラ・プリムのヴォーカルが乗っかる心地よさ。


それが時にドンドンとフリー寸前までの興奮にまで突入していく快感。


ジャズというものを明らかに更新してしてしまった傑作と言わざるを得ません。


B面目一杯使った「Sometime Ago〜La Fiesta」は圧巻の一言。


ホントに5人で演奏しているのか?というくらいの奇跡的な演奏を是非とも。

 

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ジャケットも秀逸ですが、写っているのは、実はカモメではありません(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポストプロダクションの楽しさにトコトン耽溺した人の実にユニークな音楽ですね。

Sam Gendel『Satin Doll』(nonsuch)

 


personnel;

Sam Gendel(sax),

Gabe Noel(el-b),

Philippe Melanson(el-perc)


recorded at Los Angeles ?

 


コレはたまげましたよ、ホントに(笑)。

 

およそ生の楽器の演奏の音というものがほとんどなく、サム・ゲンデルによるポストプロダクションがふんだんにこらされていて、しかも、それが、なんといいますか、音がダリの絵みたいにグニャグニャしているんですよね(笑)。

 

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現代の鬼才の一人、サム・ゲンデル。

 


音の加工するソフトというのは今はふんだんにあるので、こういう事を自体はものすごく技巧とかではないと思いますが、こういう音像に仕上げるセンスがすごい。

 

演奏している事よりも音をひたすらパソコンで歪めたりしている事に喜びを見出してしまった人なのでしょうね。


取り上げられている曲はアルバムのタイトルともなっているエリントン曲やコルトレインでおなじみの「Afro Blue」、ミンガスの「Goodbye Pork Pie Hat」、マイルスの「Freddie Freeloader」などに混じって、エルメート・パスコアール「O Ovo」が入っているのも面白いです。


ビートは機械的なビートではなく、エレクトリック楽器を演奏していますが、あくまでも人力演奏であり、人間が出すことの出来る微妙なズレなどを活かしていますね。


その人力がもたらすズレやヨレがパソコンでトコトン加工しようともどこか不思議な温もりのようなものとして残存しているのが面白いですね。


エリントンの「In A Sentimental Mood」がとりわけ素晴らしいです。


エリントンのカヴァーは実は意外と少ないのですが、このカヴァーはエリントンの本質をよく掴み取っていると思います。


この知的な戦略や枠組みを持ちながらも人間の身体感覚の発露との結びつきを大切にするところが、やはり、本作をジャズたらしめていますね。


非常に面白く聴きました。

 

ノンサッチという、アメリカーナを追及しているレーベルが彼のアルバムを出しているのも面白いですね。

 

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『Spiritual Unity』を更に推し進めたジャズがコレではないかと。

Chick Corea『A.R.C.』(ECM)

 


personnel;

Chick Corea(p),

Dave Holland(b),

Barry Altchul(drm, perc)

 


recorded at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg, Baden-Württenberg,

West Germany in January 11, 12 and 13, 1971

 

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チック・コリアのジャズシーンの登場は実に鮮烈でした。

 

ブルー・ミチェル、スタン・ゲッツマイルス・デイヴィスなどのサイドメンをつとめつつ、やがてリーダーとして独立し、1972年に発売された『Return to Forever』は、ジャズというジャンルとしては異例なほど売れ、結果としてフュージョンというジャンルを生むきっかけとなったかと思えば、「サークル」という、フリージャズのグループを結成したりと、活動の当初からその活動の幅が広い人だったんです。


なので、ある程度、いろんな傾向のアルバムを聴いてみる必然があると思うのですけども、本作はチックの最もハードな側面が反映したアルバムの代表作といってよく、このような作風は、その後はあまり彼の作品には見られなくなるので、その今でも彼の作風を知る上でも実は貴重な一枚と言えるかもしれません。


このピアノトリオ、よくよく見なくても、「サークル」のリズムセクションなんですよね。


サークルはこのトリオにアンソニー・ブラクストンを加えた編成なのですが、本作の方がより表現としての完成度が高いものとなっています。


フリージャズ寸前になりながらも、実はものすごい構成力があり、3人の演奏に一切のムダがありません。


誰かがソロを取っているという感じではなく、全員が濃密なアンサンブルを作り上げているような演奏であり、かなり緻密な演奏です。


アルバート・アイラー『Spuritual Unity』の演奏ともちょっと似ている気がしますが、アイラーのトリオの演奏は、テーマ→アドリブ→テーマをチキンと守っている演奏ですけども、このアルバムはその境界がどの曲も曖昧で、曲なのか、アドリブなのか、アンサンブルなのかが、溶けてしまっている演奏ですね。


厳密にいえば、ソロ回しはやっているのですが、それがものすごく有機的に結びついていて、必然的なんですよね。


フリーなようでいて、驚くほど精密に作られている音楽であるのですが、しかし、その息苦しさを感じさせない。


こういうジャズはあるようでなかったと思います。


それにしてもホンの少し前まで、Facebookに演奏をライブ配信するほど元気というか、演奏も全く衰えが見られないまま突然亡くなってしまった事は実に残念でなりませんね。。

 

今聴いてもとてつもないジャズですので、是非とも。

 

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チック・コリア追悼。

Stan Getz『Sweet Rain』(verve)

 


personnel;

Stan Getz(ts),

Chick Corea(p),

Ron Carter(b),

Grady Tate(drm)

 


recorded at Van Gelder Studio,Englewood Cliffs,New Jersey in March 21 and 30,1967

 


2021年に急死したチック・コリアですが、個人的に彼の晩年(今となっては。ですが)のトリオの見違えるような活躍ぶりが、一体どうした事なのか?と思っていたところだったんですね。

 

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ガンによって急死した、チック・コリア。RIP。

 


残念ながら、彼の最後のトリオは見る事は出来ませんでした。

 

そんな彼を追悼すべく、やや反則気味にコレなんかはいかがでしょうか。


当時のジャズシーンの新星として注目を集めだしたチックをサイドメンに従えてのゲッツのワンホーンカルテットなのですが、コレがゲッツの長いキャリアの中での屈指の名演となりました。

 

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ジャズ界きっての悪漢、スタン・ゲッツ。珍しくソプラノサックスを構えてますね。

 


チックは5曲中2曲を提供しているんですけども、あたかもゲッツのために作曲したのではないのか。と思えるほど、曲想がゲッツにピッタリでして、「Litha」は惚れ惚れするほど見事ですね。


一見ソフトに吹いているようで、その実フレーズは実にハードでキレキレなゲッツを、まさにキラキラとした才気溢れるピアノで実に的確にコンピングを提供し、ゲッツはますますもっていい調子になっています。


とはいえ、ゲッツは表面上は実にクールを装います。


この南国のフルーツをふんだんに絞って作り上げたような演奏は、チックの代表作な1つと言ってよい、『Return to Forever』へと直結するものですね。


一時期は音楽が軟派に流れすぎて、ちょっと私にはついていけなくなりましたが、60-70年代のチックのアルバムの多くはリーダー、サイドを問わず、聴くべきものがとても多いですね。


この軟派路線が、とくにチックが劇的に変わったとも思えないのに、見違えるほど素晴らしくなったのは、やはり、クリスチャン・マクブライドのベイスとブライアン・ブレイドのドラムスとの掛け合いが良かったからであり、やはり、ジャズはサイドメンに誰が入っているのかがとても重要ですね。

 

本作はゲッツの名盤でもありますし、同時にチックの名盤でもあるんですね。

 

ゲッツ初心者にも、チックを聴いてみたい人にもオススメです。

 

ちなみに、本作のプロデューサーは、クリード・テイラーですけども、彼はよくその商業主義を批判されますけども、このような素晴らしいアルバムのプロデュースもしており、いうほどの商業主義の人とは思いませんが。

 

聴きやすいくせに、実に内容の奥深いアルバムでもあります。

 

 

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エリントンすごいぜ!vol.11のセットリストです!

準備よろしくお願いします!

これに2/13の私のライヴ配信がついて、ようやく完成です!

 

エリントンすごいぜ! Vol.11~Enter The Hodges Act.2~

McLean Chance(紙のジャズ)

 

1.エリントンがいなけりゃ


1)Rendezvous with Rhythm(Ellington)
Cootie Wiliams(tp), Lawrence Brown(tb), Hodges(as), Harry Carney(bs), Ellington(p), Billy Taylor(b),

Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in March 28, 1938

https://youtu.be/-UvU3kHLVUw


2)Pyramid (Irving Gordon, Irving Mills, Ellington, Juan Tizol)
Cootie Wiliams(tp), Lawrence Brown(tb), Hodges(as), Harry Carney(bs), Ellington(p), Billy Taylor(b),

Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in June 22, 1938

https://youtu.be/RhVkjuoTEYo


3)Empty Ballroom Blues(Ellington)
Cootie Williams(tp), Lawrence Brown(tb), Hodges(as),

Harry Carney(bs), Ellington(p),

Billy Taylor(b), Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in June 22, 1938

https://youtu.be/NcIwMgBrNzU


4)There’s Something about an Old Love(Irving Mills, Lupin Fien, Will Hudson)


Cootie Williams(tp),

Lawrence Brown(tb),

Hodges(as), Harry Carney(bs), Ellington(p), Billy Taylor(b),

Sonny Greer(drms), Mary McHugh(vo)
Recorded at New York in August 24, 1938

https://youtu.be/Qh8ijzgQYhg


5)The Jeep is Jumpin’(Ellington, Hodges)
Cootie Williams(tp),

Lawrence Brown(tb), Hodges(as),

Harry Carney(bs), Ellington(p),

Billy Taylor(b), Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in August 24, 1938

https://youtu.be/B6ye2BY5CuE

6)Dooji Wooji(Ellington)
Cootie Williams(tp),

Lawrence Brown(tb), Hodges(as), Harry Carney(bs), Ellington(p), Billy Taylor(b), Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in March 21, 1939   

https://youtu.be/nHqtaTt8mAo

 

7)Kitchen Machanic ‘s Day(Hodges)
Cootie Williams(tp),

Lawrence Brown(tb),

Hodges(as), Harry Carney(bs), Ellington(p), Billy Taylor(b),

Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in March 21, 1939

https://youtu.be/hzaVZgIRfW8


8)Finesse(Hodges, Ellington)
Hodges(as), Ellington(p), Billy Taylor(b)
Recorded at New York in March 21, 1939

https://youtu.be/f4l9veZJjeI


2.ストレイホーンもいなきゃ


9)The Rabbit’s Jump(Hodges)
Cootie Williams(tp),

Lawrence Brown(tb),

Hodges(as), Harry Carney(bs),

Billy Strayhorn(p), Billy Taylor(b),

Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in September 14, 1939

https://youtu.be/ep1wyWLb8Nc

 


10)Skunk Hollow Blues(Hodges)
Cootie Williams(tp),

Lawrence Brown(tb), Hodges(as),

Harry Carney(bs), Billy Strayhorn(p), Jimmy Blanton(b), Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in October 14, 1939

https://youtu.be/k3pt4p1ZjrI


11)Passion Flower(Strayhorns)
Ray Nance(tp), Lawrence Brown(tb), Hodges(as), Harry Carney(bs), Ellington(p), Jimmy Blanton(b),

Sonny Greer(drms), Billy Strayhorn(arr)
Recorded at New York in July 3, 1941

https://youtu.be/r7MFphO62QY


12)Violet Blue(Strayhorn)
Taft Jordan(tp), Lawrence Brown(tb), Hodges(as), Al Sears(ts),

Harry Carney(bs), Billy Strayhorn(p), Oscar Pettiford(b),

Wilbur De Paris(drms)
Recorded at New York in June, 1947

https://youtu.be/IqRvRwlSvJo

13)Charlotte Russe(Lotus Blossom)(Strayhorn)
Shorty Baker(tp), Hodges(as),

Al Sears(ts), Harry Carney(bs),

Billy Strayhorn(p), Oscar Pettiford(b), Sonny Greer(drms)
Recorded at New York in Late 1947

https://youtu.be/WIhx_XxXmKE

 

3.新しもの好きホッジス


14)Nix It, Mix It(Jimmy Hamilton)
Shorty Baker(tp), Quentin Jackson(tb), Hodges(as), Jimmy Hamilton(cl),

Don Byas(ts), Raymond Fol(p),

Wendell Marshall(b), Sonny Greer(drms)
Recorded at Paris in April 15, 1950

https://youtu.be/luwJI_CHiNA 


15)Thru for The Night(Hodges)
Shorty Baker(tp), Lawrence Brown(tb), Hodges(as), John Cotrane(ts),

Call Cobbs(p), John Williams(b),

Joe Marshall(drms)

Live at Los Angeles in June, 1954

https://youtu.be/ToXRmiyrn6U


16)Harmony in Harlem(Ellington, Hodges, Mills)
Hodges(as), Lawrence Brown(tb),

Grant Green(g), Wild Bill Davis(org), Bob Cranshaw(b), Grady Tate(drms)
Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey in January 6 & 7, 1965

https://youtu.be/BqXK8-zRGbo


4.復活の日


17)Beale Street Blues(W. C. Handy)
Hodges(as), Harry Sweets Edison(tp), Les Spann(g), Ellington(p),

Sam Jones(b), Jo Jones(drms)
Recorded at Columbia Studio, New York in February 20, 1959

https://youtu.be/b8tACTVlb2g


18)The Star-Crossed Lovers (Elington & Strayhorn)
Clark Terry(tp, flh), Willie Cook,

Cat Anderson(tp), Ray Nance(tp), Quentin Jackson, Britt Woodman,

John Sanders(tb),

Hodges(as), Russell Procope(as, cl), Paul Gonsalves(ts),

Jimmy Hamilton(ts, cl),

Harry Carney(bs), Ellington(p),

Jimmy Woode(b), Sam Woodyard(drms)
Recorded at Columbia 30th street Studio, Manhattan, New York in May 3, 1957

https://youtu.be/fOLwmxoA9gA

 

 

参考 CD


1)~6), 8)~14)Johnny Hodges『The Jeep is Jumpin’』(Proper)
7)Duke Ellington『THE DUKE Complete Works from 1924-1947』(Trumpet of Jericho)
15)John Coltrane『First Giant Steps』(RLR Records)
16)Johnny Hodges-Wild Bill Davis featuring Grant Green『Joe’s Blues』(Lone Hill jazz)
17)Duke Ellington-Johnny Hodges『Back to Back』(Verve)
18)Duke Ellington『Such Sweet Thunder』(Columbia/Legacy)

 

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ギル・エヴァンス入門編に最適です!

Gil Evans Orchestra『Plays The Music of Jimi Hendrix』(RCA/Legacy)

 

personnel;

Gil Evans(cond, arr, p?),

Hannibal Marvin Peterson(tp, vo),

Lew Soloff(tp,flh),

Peter Gordon(frh),

Peter Levin(frh, synthesizer),

Tom Malone(tb, fl, synthesizer, b, arr),

Howard Johnson(tuba, cl, b-cl,arr),

David Sanborn(as, ss),

Billy Harper(ts, fl),

Trevor Koehler(ts, ss, arr),

Keith Loving, John Abercrombie,

Ryo Kawasaki(g),

David Horowitz(el-p, Synthesizer, arr),

Micheal Moore, Don Pate(b),

Warren Smith Jr.(chimes, perc, marimba, arr),

Bruce Ditmas(drms),

Susan Evans(congas, drms)


Recorded at RCA Studio B, New York City, June 11, 12, 13, 1974

 

 

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マイルスとのコラボの録音中のギル・エヴァンス。実はカナダ出身です。

 


なんで、ギル・エヴァンスジミ・ヘンドリクスの曲をやってるのか?と奇異に思う方もいるかもしれませんが、『マイルス自叙伝』なんかを読みますと、マイルスやギル・エヴァンスとジミヘンが共演する予定があったらしいです。

 

しかし、1970年のジミの休止によって実現できなかったんですね。


なので、ジミが亡くなってすでに4年経ってからではありますが、彼の追悼の意味があるのだと思います。

 

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説明不要の大天才、ジミ・ヘンドリクス

 


また、奇しくもデューク・エリントン が1974年5月24日に亡くなっている後の発売になります。


タイトルを見ると、全部ギルがアレンジしていそうですけども、彼がアレンジしたのは、「Medley:Castle Made of Sand / Foxy Lady」の前半と(後半はウォーレン・スミス Jr.)、「Up from The Skies」のみで、他の5曲はトム・マローン、デイヴィッド・ホロヴィッツ、ハワード・ジョンソン、トレヴァー・ケーラーによるアレンジです。


パーソナルを見ておわかりのように、およそ、ジャズのビックバンドとは思えない、かなりエクセントリックなもので、フレンチ・ホルンやチューバという、あまりモダンジャズではお目にかからない楽器がホーンセクションにいますし、持ち替えもすごいです。


また、聴いてて誰なのか特定不能シンセサイザー奏者がおり、ギターもおり、ギターが3人、ベイスが2人います(笑)。


一応、アルバムのライナーノーツに書いているものに基本的に従い、耳で聴いて明らかに誤りのものは訂正し(ウォーレン・スミスJr.がヴァイヴラフォンを演奏しているというのは明らかに間違いなので訂正しました)、抜けているものは付け足しました(ルー・ソロフのフリューゲル・ホーン)。


しかし、ホントにコレで合っているのかは、恐らくもう誰にもわからないでしょうね。


演奏を聴くとおわかりですが、ジミの曲をやっているので、あんまり音の分離が良くないですから、ベイスがホントに2人とも演奏しているのかとか、ギターが全員演奏しているトラックは実は1つもない可能性もあり得ます。


が、もはや特定は現在ソニーが所有する資料でも無理なのではないでしょうか。


ギルが作り出す恐ろしく濃密では複雑なアンサンブルを楽理的に説明する能力は私にはありませんが、このスタジオ録音で聴いても、彼のアンサンブルというのは、永遠の未完成美としか言いようがありません。


音楽でなくてもいいですけども、表現というものは、その時点での一応の結論というものを出すわけなんですけども、そういう事に興味がなくように聞こえますね。


その瞬間の衝撃みたいな事の方がギルにとっては大切でして、一旦、綿密に組み上げたものを当日になって、やっぱり考えが変わってこうする。みたいな事が日常というか。


その緻密さとアナーキーさという、相矛盾するものが同居しているところが、ギル・エヴァンス・オーケストラの醍醐味ですので、あまり録音に向いている音楽ではないんですね。

 

音源のみで聴くと、やたらと小難しかったり、なんでこんなにぐちゃぐちゃなのか?という事にばかりアタマがいってしまって、音楽に集中できないんですけども、youtubeなどで映像が結構上がっているので、どれでもご覧になって見るとわかりますけども、凄腕能力集団がギルのなんだかほにゃほにゃしたコンダクトにしたがって演奏する様子が実にスリリングで実に面白いです。


本作はすべてジミヘンの曲ばかりですから、誰もがよく知っているので、ある意味、スタンダード曲を聴くような感じで、どうアレンジしていくのか?に集中して聴けるので、映像なしでも充分楽しみやすいので、ギル・エヴァンスを聴いた事のない人には特にオススメです。


一曲目「Angel」はデイヴィッド・サンボーンが、エリントン ・オーケストラのジョニー・ホッジスさながら、泣きのアルトを吹きまくるのは、納得の演奏です。

 

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サンボーンはフュージョンの人みたいな扱いですが、もともとはとても硬派な人でした。あまりにも歌心がありすぎて、オーバーグラウンドに引き上げられてしまったのでしょう。

 


ギルの基本は金管であの独特な柔らかいくも不穏なアンサンブルを作り出し超個性的なソリストが歌いまくるという構図がものすごく好きで、それはマイルスとのコラボから1970年代にエレクトリック化して以降も一貫してます。


初心者オススメとは言え、ギルですから、相当にジャズを聴き込んだ人にも飽きがこない内容です。


個人的には、一番地味な演奏なのですが、「Up from The Sky」の浮遊感のあるアンサンブルがやっぱりすごいですね。


先日惜しくも亡くなりました、川崎燎のギターソロがフィーチャーされております。

 

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川崎燎以外にも、菊地雅章大野俊三など、ギルのオーケストラには日本人が在籍していました。

 


長年、ギルのオーケストラのメンバーだったハワード・ジョンソンのものすごいチューバのソロが聴けるのは、「Voodoo Chile」です。

 

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ハワード・ジョンソンは、チューバ、ベイス・クラリネットクラリネットなどをマルチに弾きこなす才人でしたが、2021年に亡くなりました。

 


現行のCDはオリジナルの7曲にボーナストラックがついてまして、「Little Wing」というDerek and The Dominoes でも有名な男泣きの名演が追加されており、コレまたオススメです。

 

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ヴォーカルを取るのは、ハンニバル・マーヴィン・ピーターソンです。

 

 

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