mclean-chanceの「Love Cry」

はてなダイアリーで長年書いてきたブログを移籍させました。生暖かく見守りくださいませ。

バレルのエリントン愛が込められたライヴ盤!

Kenny Burrell『75th Birthday Bash Live !』(Blue Note)

 


Personnel;

Kenny Burrell(g,vo),

Gerald Wilson Orchestra


Hubert Laws(fl),

Jeff Clayton(as),

Herman Riley(ts),

Joey DeFrancesco(org),

Roberto Miranda(b, congas),

Clayton Cameron(drms)

 

Recorded at Yoshi’s in Oakland, CA on July 31, 2006 and

Kuumbwa Jazz Center in Santa Cruz, CA on August 1, 2006

 

f:id:mclean_chance:20200516190349j:image

最近のケニー・バレル。いい写真ですね。

 


2006年のケニー・バレルの75歳の誕生日をしてのライブを収めたアルバム(という事は2020年で89歳!)。


それにしても、驚きましたよね。


ブルーノートから、ケニー・バレルのアルバムが出るのって一体何年ぶりなのだろうか(笑)。


本作はジェラルド・クレイトン・オーケストラとの共演がなんといっても目玉で、よく考えてみると、ジェラルド・クレイトンの初ブルーノート録音なのですかな、コレ。

 

f:id:mclean_chance:20200516185858j:image

2014年に96歳で大往生した、ジェラルド・ウィルソン。

 


ジェラルドは教育家でもあったので、活動拠点が一貫して西海岸を中心としていたので、パシフィック・ジャズとかコンテンポラリーという西海岸のレーベルと契約して、そんなに多作ではないですけども、淡々とアルバム出し続けていました。

 

ジェラルドが再び注目されるようになるのは、やはり、晩年のマック・アヴェニューでの録音でしょうね。


やっている事はそんなに変わっているわけではないんですけども、その熟成された彼が長年培ってきたサウンドが実に素晴らしかったんですけども、そんな大ベテランの率いるオーケストラがバレルを支えるために徹底して黒子に徹し、ソロは全てバレルに取らせるというところが泣けてきます。


バレルという人は、そんなに前に出てきて自己主張をするミュージシャンではなく、どちらかというと控えめなミュージシャンであり、いわゆるスター街道からは縁遠い人でした。


しかし、彼のさりげないフレーズに込められたブルージーな情感には根強いファンが少なくないです。


そんな彼なので、別に75歳を記念しても、あの私たちが知っている、淡々とギターを弾くバレルがいるわけです。


それでいて、マンネリズムをやっているわけではないところがすごいですね。


こういうスタイルのジャズギターはバレルをもってもう継承する人はいませんけども、時にはこういう演奏を聴いてしみじみするのもいいものです。

 

バレルとウィルソンはあまり接点がなかったように思いますが(もし、ご存知の方いたら教えてください)、実は「デューク・エリントン」という接点があるんですが、ここでは詳しい話は省略します。


コレに反してスモールコンボの演奏はあまり良いとは言えません。


音楽監督やプロデューサーに問題があると思います。


最後の2曲を残して、後はすべてカットしてしまうと、合計時間が約40分となり、アルバムのとしての完成度が俄然上がりますから、このような工夫をすると、聴きやすくなります。


何もアルバムだから全曲付き合う必要などないですから、こういう事を聴き手が積極的にやるのはむしろいい事だと私は

思ってます。

 

飄飄とた味わいの歌も聴けますよ!

 

f:id:mclean_chance:20200516185830j:image