mclean-chanceの「Love Cry」

はてなダイアリーで長年書いてきたブログを移籍させました。生暖かく見守りくださいませ。

ライヴ配信への変更です!

11/29の「菊地成孔を聴くvol.3」は、新型コロナウィルスの東京都での感染者数の上昇を鑑み、やむを得ず、ライヴ配信へ切り替えます。

 

時間は14:00-16:30のままです。

 

Youtubeで配信します。

イベントタイトルで検索ください。

 

予告通り、トークのみです。

 

音源は同時に私も聴いてからしゃべります。

 

ですので、同時に聞きますと、擬似参加可能です。

 

10日ほど、アーカイブとして残すつもりですので、当日聴けない方や音源を完全に用意してから聴きたいかたは、radikoのタイムフリーのようにお聴きできます。

 

トークのみを聴くのはあまりオススメいたしません。

 

カレー屋さんにいって、ライスとらっきょうだけ食べるようなものなんで(笑)。

 

確実に使うのは、DCPRGの第一作『アイアンマウンテン報告』は最低限ご用意ください。

 

あとは当時までグラクノスチいたしません。

 

マニアックな音源は一切使いませんから、全部、当日、youtubeSpotifyで用意可能かも。です(笑)。

 

ワンオペですので、多分、いろんな操作を同時進行でやらなくてはなりませんから、多分、時間内に終わらないと思われますが、ご容赦くださいませ。

 

それでは当日お楽しみください!

 

無料です。

 

 

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ジョージ・ラッセルはトリターノとマイルスを結ぶ人だったのではないか?

George Russell Smalltet『The Jazz Workshop』(RCASony)

 

Personnel;
Art Farmer(tp), Hal McKusick(as, fl),

Barry Garbrath(g), Bill Evans(p),

Milt Hinton or Teddy Kotick(b),

Joe Harris or Paul Motian or

Osie Johnson(drms),


George Russell(arrenger, chromatic drums),

 

Recorded at RCA Studios, NYC, March 31, October 17, December 21, 1956

 



ジョージ・ラッセルの初リーダー作。


彼の提唱した音楽理論は、マイルスがモードジャズに移行していくのに役立ったとか、その辺の経緯はとりあえず差し置いて。

 

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作編曲、ジョージ・ラッセル。一曲のみ、特殊にチューニングしたパーカッションで演奏に参加。

 


まずコレは音楽であるから、聴いてナンボでありまして、面白いなくては仕方がない。


問題は彼の音楽が面白いのか?という事が私にとっては第一義ですが、結論からするとコレはとても面白い。

 

まず、参加メンバーを見ていたいただきたいが、当時の名手ばかりが揃っている。


とりわけすごいのは、まだ無名だったビル・エヴァンスのソロが何と言っても素晴らしい。

 

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あまりにも数多くの名演を残した、ビル・エヴァンス

 

とかくリリシストとして語られてしまうエヴァンスだが、ここでのパウエル派を基本としながらもトリスターノを思わせる硬質なタッチのピアノソロは、彼の本質は実に硬派なものであり、コレを聴いてから、かの有名なスコット・ラファーロとのトリオの4枚を改めて聴くと、彼の硬派な部分がよく見えてくるのではないか。

 

デビュー作にして、全曲が自作曲であるラッセルの曲はすべて彼の編曲が込められ、実斬新なリズムに、リー・コニッツを思わせるハル・マキュージックのアルトに端正でまろやかなアート・ファーマーという対比が素晴らしいフロントが、複雑に絡み合いながら、しかしクールな感触を維持している。


曲によってベイスとドラムが交代しているが、それによる音楽的な違いはさほど大きくないが(単なるスケジュールの問題か)、後にエヴァンスがトリオを組む事になる、ポール・モーシャンと出会っているのはとても大きいかも。


ラッセルの縛りはかなり強いものと思われるがこの中で自由闊達なソロを最も取っているのは、エヴァンスであり、彼はラッセルの理論がカラダで理解できているという事なのでだろう。


そんなエヴァンスをマイルス・デイヴィスが自らのコンボに招いたのは、恐らくは自分のコンボにラッセルの考え方を取り入れた演奏をしていこうとしていたのだろうと考えるのは多分自然であり、そうして作り上げた『Kind of Blue』は、マイルスの『自叙伝』では「失敗作」と述べている事は、日本の多くのジャズファンは無視しているが、恐らくはラッセルの考え方を演奏としてうまく反映できなかったからではないかと考えられる。

 

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言わずと知れた、帝王マイルス。『Kind of Blue』は、失敗というの言い過ぎで、過渡的な作品と見るべきだろう。しかし、このアルバムがモダンジャズ最大の売り上げなのである。

 


というのも、このアルバムを聴いてその複雑なアンサンブルとともに耳につくのは、ものすごく凝ったリズムではなかろうか。


マイルスが失敗と考えたのも、このリズムがあまり躍動的ではなく、全体としてとてもスタティックになってしまった事だと思う。


というのも、その後のメンバーチェンジによって、1964年には第二期黄金クインテットと言われるメンバーに固定して行っていた演奏はリズムがアグレッシブなのにも関わらず、根底が非常にクールであったからである。


マイルスという人は巷間思われているよりも遥かに保守的で慎重な人で、ラッセルの考え方を取りいえるのもすぐには行わず、段階を置き、しかもグループとしてのサウンドとして作り上げていこうという傾向が強い。


リズムを急激に改変する事は音楽が根底から変わってしまう事であり、そこへのアプローチがまだ『Kind of Blue』では不徹底だった。


しかし、マイルスの構想にピッタリなピアノとドラムス(ハンコック、ウィリアムズ)が見つかり、このコンセプトでソロを取る最適なサックス(ショーター)が最終的に加入し、ようやくラッセルの理論とマイルスの構想は具現化したのだと。


そう考えると、ラッセルという人がジャズに貢献したものは実はとてつもないんですけども、いかんせん作品が多くなく、ラッセル本人も理論書として提示したものなら完成を最後まで示さないまま、2009年に亡くなってしまったので、どうしてもカルト的な胡散臭さばかりが先行してしまうのはある意味致し方ないかもしれない。

 

しかし、ここでの演奏を虚心坦懐に聴けば、名手たちのソロが阻害されるような縛りもなく、むしろ、エヴァンスの才能を引き伸ばしてすらいるラッセルの作編曲の能力は、やはり並外れていたと言わざるを得ない。


ここではまだリーダーとして無名であるので、小編成での演奏にならざるを得ないですが、ここで実力を証明し、一般的な人気よりもミュージシャンたちにかなりの衝撃を与えたであろう彼はやがて大編成でラッセルの実践はニューイングランド音楽院での教育との両輪で進められ行くことになるその第一歩が刻まれた快作。

 

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【注意】エリントンすごいぜ! vol.10 【ライヴ配信のみです】!

※残念ですが、今回もライヴ配信のみです。

 

日時は同じです。

 

ですが、セットリストは明日事前に公開します。

 

Youtubeを利用いたしますので、よろしくお願いします。

 

 

※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 

 

 

 

 

新型コロナウィルスという名のヌーヴェル・ヴァーグがまたしてもやってきている最中ですが、vol.10を行っていきます。

 

ただし、東京都の状況によっては中止せざるを得ないですので、その時はブログを更新いたします。

 

さて、コロンビアとの再契約と軌を一にして、オーケストラ1のゴンタ、ジョニー・ホッジス(B・グッドじゃないよ!)が復帰いたしました。

 

本イベントからしばらく姿を消していたホッジス氏をこの際、オーケストラ加入時の1928年から復帰の1956年までを総合的かつ俯瞰的に(?)聴いていき、最後にエリントン史/ホッジス史における金字塔の一つ(この2人は金字塔だらけではありますが)と言ってよい、大名曲、大名演がはなたれます。

 

今回はその一点に全集中した、最もマニア度の高い内容の前編になります。

 

現在、本イベントは1920年代にむかって遡っていこうとしていますが、今回はそのさわりとなっていきます。

 

今回も入店時はマスクの着用と手の消毒をよろしくお願いします。

 

お菓子の持ち込みは引き続き可です。

 

エリントンとしましては、トークのみですが初のライブ配信となります。

 

※追伸:都内での新型コロナウィルスの感染者数の増加が止まらないようでしたら、ライヴ配信のみに切り替えさせていただきます。

 

切り替える際はブログで公表したします。

 

2020.12.12  エリントンすごいぜ!

ホッジスへの道 前編

open : 13:30

start : 14:00-16:30

place : 夜学バーbrat

address : 台東区上野2-4-3 池之端すきやビル 3F

JR御徒町駅東京メトロ上野広小路駅湯島駅など、最寄り駅多数!


Charge 800+ 2 drinks

 

 

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【注意!】菊地成孔を聴くvol.3です!【ライヴ配信のみに変更です】

※ニュース速報により、東京都の新型コロナウィルス感染者数が全く減少しませんので、急遽ですが、youtubeによるライヴ配信のみに切り替えます。

 

詳しくは新規ブログをご覧ください。

 

 

 

春秋の年2回のイベント、「菊地成孔を聴く」の第三回を行います!

 

今回はようやく彼のリーダー作、Date Course Pentagon Royal Garden(現DC/PRG)に入ります!

 

このグループの第1期までを取り上げたいと思ってますので、乞うご期待ください!

 


菊地成孔を聴く vol.3 すべての道は肉でできている

 

11/29 @夜学バーbrat

台東区上野2-4-3 池之端すきやビル 3F

http://ozjacky.o.oo7.jp/brat/

JR御徒町東京メトロ上野広小路、湯島など最寄駅多数!


open 13:30

start 14:00-16:30

charge 800 + 2drinks

 

入店時はマスク着用と手のアルコール消毒をよろしくお願いします。

 

お菓子の持ち込みはお店を汚さない限りに於いて可とします。

 

ただし、飲み物はお店のものをご注文ください。

 

※追伸 本イベントより、トークのみですが、ライブ配信を行います。

Youtubefacebookにて実施致しますので、よろしくお願いします。

 

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vol.9のセットリストです!

10/10に行われた、エリントンすごいぜ!vol.9のセットリストです!

 

 

 

1.Newport 1956のA面を聴く


1)Festival Suite Part 1-Festival Junction(Ellington, Strayhorn) 2)Festival Suite Part 2-Blues to Be There(Ellington, Strayhorn) 3)Festival Suite Part 3-Newport Up(Ellington, Strayhorn)


Clark Terry(tp,flh), Willie Cook, Cat Anderson, Ray Nance(tp),
Quentin Jackson, Britt Woodman, John Sanders(btb),
Johnny Hodges(as), Russsell Procope(as, cl), Paul Gonsalves(ts), Jimmy Hamilton(cl,ts), Harry Carney(bs),
Ellington(p), Jimmy Woode(b), Sam Woodyard(drms)

 


3.実録 Newport 1956


4)Festival Suite Part 1-Festival Junction(Ellington, Strayhorn) 5)Festival Suite Part 2-Blues to Be There(Ellington, Strayhorn) 6)Festival Suite Part 3-Newport Up(Ellington, Strayhorn)
Same Personnel


4.『Newport 1958』を聴く


7),8)Just Scratchin’The Surface (Ellington)

 

9),10)El Gato (Cat Anderson)


11),12)Jazz Festival Jazz(Ellington, Strayhorn)


Clark Terry, Cat Anderson, Shorty Baker, Francis Williams(tp), Ray Nance(tp,vl), Quentin Jackson, Britt Woodman, John Sanders(btb),
Johnny Hodges(as), Russsell Procope(as, cl), Paul Gonsalves(ts), Jimmy Hamilton(cl,ts), Harry Carney(bs),
Ellington(p), Jimmy Woode(b), Sam Woodyard(drms)

 

bonus truck

 

Diminuendo in Blue and Crescendo in Blue(Ellington)

Live at Newport Jazz Festival, July 7, 1956

 

 

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アンドリュー・ヒルのクセになる音楽を是非とも!

Andrew Hill『Judgement!』(Blue Note)

 


personnel;

Bobby Hutcherson(vib),

Andrew Hill(p),

Richard Davis(b),

Elvin Jones(drms),

 


recorded at Rudy van Gelder Studios, Englewood Cliffs, NJ, January 8, 1964

 

 

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若い頃のアンドリュー・ヒル

 


1960年代のブルーノートを代表するピアニスト/コンポーザーと言えば、ハービー・ハンコックとアンドリュー・ヒルが双璧だと思いますが、ヒル知名度はその実力に比して、決して高いとは言い難いですね。


セロニアス・モンクから乾いたユーモアを取って、代わりに1960年代的と言ってよいシリアスさを加え、しかも、決してキャッチーとは言い難い作曲をするヒルの音楽は、とっつきやすいものではありません。


しかし、よくよく聴くと妙にクセになってしまう彼の不思議なピアノの魅力はなかなか抗し難いものがあります。


その、「垂直系」と言ってよい、タテを感じさせる、古くはデューク・エリントン、そして、セロニアス・モンク、ハービー・ニコルスと言った系譜にあたるヒルのピアノは、アート・テイタムオスカー・ピーターソンの「水平系」のピアノの対極ですが、ピアノは他の楽器と比べて音を出した後に音が減衰していくのがとても速い楽器であり、クラシックの奏法はそれをいかに感じさせないように演奏するか。を基本的に発達させていきましたが、ヒルはむしろその減衰していく事を積極的に活かし、より打楽器としての要素を強調していると言えますね。


そんなヒルのかなり初期のアルバムが本作ですが、よく見ると編成がMJQと同じです。


しかし、その印象はMJQのそれのような優雅なものとは全く違う、まるで鍛えあげられた鋼鉄のヒンヤリとしたような手触りのようなジャズでして、その雰囲気を作っているのは、明らかにボビー・ハッチャーソンのヴィブラフォンです。

 

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ボビー・ハッチャーソン。2016年に惜しくも亡くなりました。

 


ハッチャーソンのサウンドイカーとしての才能はズバ抜けていて、コレは同じブルーノートのアルバムである、エリック・ドルフィー『Out to Lunch』やジョー・ヘンダーソン『Mode for Joe』と言った名盤でも発揮されていますが、その少ない音数で場の雰囲気を一瞬で変えてしまう演奏は本作でも遺憾なく発揮されています。

 

そして、なんと言ってもエルヴィン・ジョーンズのドラムの存在感でしょう。

 

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ジョン・コルトレインの音楽に多大な貢献をした、エルヴィン・ジョーンズ

 


ヒルの垂直に切断していくようなピアノに対して、ものすごいうねりを伴った、「水平系ドラム)ともいうべき、永遠に永続していくような一人グルーヴ・マシーンのようなドラムは圧倒的であり、ヒルやハッチャーソンと好対象です。


「アルフレッド」(プロデューサーのアルフレッド・ライオンにちなんだ曲名でしょう)でのエルヴィンの重いブラシプレイは必聴です。


コレと全く同じ編成のボビー・ハッチャーソンの名盤「Happenings」と比べても何の遜色もない本作は、ジャズファンには意外と盲点となっているアルバムなのかもしれません。


ヒルの一筋縄ではいかない曲想はクセになります。

 

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エリントンすごいぜ!vol.9、リベンジです!

コロナウィルスの流行の影響でやむなく8月はできなかったのですが、今回はその内容をそのまま持ち越しで、ニューポートジャズ祭りの1956年と1958年の聴き比べを行いたいと思います。

 

現在、1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの模様を撮った『真夏の夜のジャズ』がリバイバル公開されているので、予習に是非とも。

 

当日はネットでトークのみライヴ配信を行う予定です。

 

可能となりましたら、またこのブログで連絡いたします。

 

エリントンすごいぜ! vol.9(再)

Newport 1956/1958を中心に

 

date 2020.10.10

open 13:30

start 14:00-16:30

place 夜学バーbrat

address 台東区上野 2-4-3 池之端すきやビル3F

JR御徒町、メトロ上野広小路、湯島などなど、最寄り駅多数

http://ozjacky.o.oo7.jp/brat/

charge 800 + 2 drinks

 

動画を撮影してみました。

https://youtu.be/M_CA2af6HLU

 

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