mclean-chanceの「Love Cry」

はてなダイアリーで長年書いてきたブログを移籍させました。生暖かく見守りくださいませ。

残念!

4/25に行った「エリントンすごいぜ!vol.12」は、戒厳令初日に突然ぶつかってしまいまして、お客さんがゼロとなり、次回にそのまま延期といたしました。

 

次回は8月開催予定ですが、どうなるのか全くわからんですねえ。。

 

https://youtu.be/XtHxiaGoPgs

 

 

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晩年の凄みが記録されたアルバム!

Al Haig『Blue Manhattan』(interplay)

 


Personnel;

Al Haig(p), Reggie Johnson(b),

Frank Gant(drms)

 

Recorded at RCA Studio, in New York, on January 4, 1980

 


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晩年に凄まじい演奏を残したアル・ヘイグ

 


白人バッパーとして1940年代から活躍していたアル・ヘイグですが、いつ間にかレコードも出なくなり、すっかり活躍の様子が伝わらなくなりました。


が、70年代になって突然ヘイグのアルバムが続々と出だしたんですね。


なぜか、イギリスのスポットライトというレーベルからです。


私は、ミュージシャンの私生活をあれこれ詮索事に興味はありませんが、本作の演奏を聴くと、大変な事が結構あったのであろう事は容易に推察されます。


まず、ミスタッチがものすごく多くて、演奏が何やら不安定なんですよ。


音の強弱の幅が予測不能で、全くもって謎で、とにかく展開が読めない。

 

なんだか他人には窺い知れないヘイグの内面がそのまま投影されたような感じなんですね。


それでいて、どこかドライなんですよ。


ソロの展開がどういう発想から生まれているのかがよくわからんコワサが常にありますね。


これらの特徴は若い頃のヘイグには全くなかったものです。


しかし、私はこの復帰してからの演奏の方が惹かれます。


こんな謎の演奏はヘイグにしかできないですし、こんなピアニストはちょっといません。


本作が素晴らしいのは、アル・ガーファ作の「Land of Living Dead」と「Barcelona」の演奏の入った、LOで言うところのB面にあります。


ともに、アル・ガーファの隠れ名盤、『レブロン・ビーチ』に収録された名曲ですが、恐らくヘイグはこのアルバムをどこかで聴いて気に入ったんでしょうね。

 

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アル・ガーファは、ディジー・ギレスピーのサイドメンとして活動していました。


ミスタッチをものともしない、「コレだけは言っておきたい!」という、なんとも切羽詰まったような弾きぶりがとても独特で、アル・ガーファの哀愁とは全く異なる凄絶さをたたえる演奏であり、ジャズメンの本気、根性というものをまざまざと感じることのできるヘイグの畢生の名演です。


ただし、アルバム全体の出来は実は芳しくはなく、いわゆる名盤とは呼べるものではないのかもしれません。


しかし、アル・ガーファの2曲の演奏が余りにも素晴らしく、それだけで本作は十分に推薦に値すると思います。

 

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なぜかジャケットがいくつもありますので、曲目をよく確認して買ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

80年代のショーターを代表する浮遊感のある傑作!

*Wayne Shorter『Phantom Navigator』(Columbia)

 


Personnel;


Wayne Shorter(ss, ts, lyricon, vo),

Chick Corea(p),

Mitchel Forman(synth),

Stu Goldberg(synth),

Jim Beard(synth),

Jeff Bova(synth),

Alphonso Johnson(el-b),

Gary Willis(el-b),

John Patitucci(el-b),

Tom Brechlein(drms),

Jim Braiower(drms, perc, programming),

Bill Summers(perc, programming),

Scott Roberts(perc, programming),


Ana Maria Shorter(vo),

Gregor Goldberg(vo),


recorded at Madhatter Studio, Los Angeles and Power Station, New York in 1986

 

 

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今やモダンジャズの最古参の一人となった、ウェイン・ショーター


ウェイン・ショーターはウェザーリポート末期から解散にかけて立て続けに3つのアルバムを出しましたが、コレはその2作目になります。


ウェザーリポートという、大人気グループのメンバーとしての仕事がメインとなり、しばらくショーターのソロ作品がなかった時期に立て続けに出た形なのですがこの三部作の一つとも言える本作には、実に多くのひとが参加しております。


よく見ますと、現在のショーターのカルテットのベイシスト、ジョン・パティトゥッチが三曲参加してますね。


この頃は、チック・コリアからの紹介なのでしょうかね。


このアルバム、出た時はアンマリ評判よくなかったみたいです。


もしかすると、ウェザーに入る前のショーターの作品、例えば、『スーパー・ノヴァ』とか、『オデッセイ・オヴ・イスカ』のようなハードなものを期待していたんでしょうか、この浮遊感のあるポップな作りが、そんな期待をはぐらかしてしまったのでしょうか。


たしかに、どちらかというと、フュージョンで活躍するミュージシャンの参加も多いです。


基本的にマイルス・デイヴィスのもとを離れてからのショーターの活動は、現在に至るまで、独自のサウンドの追求にあって、サックスのソロでノックアウト的なモノは、実はそんなにないような気がしていまして、本作もポップな作りとはいえ、その事は一貫してます。


多分、モダンジャズの各ジャズメンが凌ぎを削るように演奏で燃えに燃えるというような事を求めていなくて(それはマイルスのクインテットです散々やり尽くしたのでしょう)、もっと、サウンドクリエイトに重点を置きたくなったのでしょうね。

 

ウェザーへの参加もそういう事なのかもしれません。


とはいえ、ショーターのソプラノもテナーも相変わらず魅惑的で、本作の画竜点睛は、やはり、ショーターです。


とにかく楽しそうに吹いてます。


ウェザーリポート時代の後半は曲が書けなくなって、スランプ状態だった。と後年ショーターは語ってますが、ココでのショーターは、何かサックスの音色からも何か吹っ切れたモノを感じます。


私が特に気に入っているのは三曲目以降で、ジャケットの空に浮かぶ豪華客船のような、ショーターにしか出来ない、浮遊感に満ち満ちた、不思議な魅力を放っております。


ベイスやドラム、キーボード、シンセサイザーの音が如何にも80年代後半しているのですが、使用している機材がかなり似通っているのか、この頃の細野晴臣にちょっと似ている気がします。


ショーターがYMOからソロ作を聴いていたとは到底思えませんが(いや、案外聴いてたりして)、この頃の2人の頭の中で鳴っていた音が偶然にも一致していたのでしょう。


このアルバムに横溢する、「拡散する音楽」は、ともすると単なる散漫でまとまりのない作品になってしまいがちですが、本作はシッカリと筋が一本通っています。


一聴したポップで軽い印象よりも、実際はかなり練り上げられた音楽だと思いました。

 

もう、発売されて30年ほど経ちますが、今聴いても気持ちよく聴くことができます。オススメ。


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ハンコックのアタマの中に渦巻くマッドネスが爆発した怪作!

Herbie Hancock 『Sextant』(columbia)

 

personnel;

Bennie Maupin(ss, bcl, piccolo, affiche, hum-a-zoo), Eddie Henderson(tp, flh),

Julian Priester(btb, ttb, atb, cowbell),

Herbie Hancock(p, el-p, clavinet, synth, mellontron),

Buster Williams(b, el-b),

Billy Hart(drms), Buck Clark(perc), 

Patrick Gleeson(synth)

 

recorded at Wally Heiders and Different Fur Tradings Company, San Francisco in late 1972

 

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2021年で御歳81歳で未だに現役のハンコック。モダンジャズの最後の巨人ですね。


このアルバムの後が、かの大ヒット作である、『ヘッドハンターズ』である事がにわかに信じられない怪作。


ハンコックというと、『処女航海』くらいしか知らない人に聴かせたら、同一人物のアルバムとは思えないでしょう。


それくらい、本作は凄まじいです。


最近は、ユネスコ大使にまでなってしまったハンコックですが、私は、この人の内面には、ショーターとはまた違った狂気が常に宿っていると思っていて、それが一挙にぶちまけられたのが、本作だと思います。


3曲しか収録されてませんが、どれもこれもすごい。


「Rain Dance」は、アナログシンセサイザーで作ったと思われる電子音を基調とした、いわば人力テクノなのですが、コレが冒頭という事に驚きます。


ほとんどハンコックのソロで膨大なオーバーダビンクを経て作られた曲で、彼の頭の中はすごい事になっているのがとてもよくわかります。


これに続く「Hidden Shadows」は、7+5+4+4=19拍子の変拍子ファンクという、全く踊れないもので、そんな中で狂ったようなソロを取ってるのは、やはりハンコック。


バスター・ウィリアムズのベイスが太っとくて素晴らしいですね。


要するにA面は、彼のマッドな世界をかなりダイレクトに提示したわけです。


よくこんなのコロンビア側に許されたなあ。。


B面は「Hornets」は一大ファンク大作で、ようやくバンドのメンバーが暴れ回り、ハンコックは更に暴れ回ります。


この時代に関して、近年出た自伝を読むと「絶好調だった」みたいな事が書いてあって、多分、それはハンコック1人がぶっ飛んでいただけかもしれないのかなと。

 

まあ、相当おクスリやってたようなのですが(笑)。


しかし、この後に世紀の大ヒット作『ヘッドハンターズ』を作ってしまうハンコックは、まことに謎です。


意外と聴かれていない作品かと思いますので、是非とも。

 

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エリントンすごいぜ!vol.12です!【延期です!】

※Covid-19 により、8/29に延期といたしました!

 

コロンビア期のエリントンを昨年から追ってますが、今回はそんな彼の「宇宙疑惑」について追ってみます。

 

エリントンはあまりシッポを出す人ではないので、深掘りはできそうにありませんが、やはりエリントンも宇宙に向かおうとしていたのではないのか?という事を考えてみたいと思います。

 

今回は久々に「夜学Bar Brat」にて行います!

そして、当初予定しておりました、ライブ配信も同時に行います。

 

今回はイベントがメインですので、セットリストはイベント終了後に公表いたします。

 

引き続き、お菓子の持ち込みは可です。

 

ただし、飲み物類はお店のものをご購入くださいませ。

 

 

エリントンすごいぜ!vol.12 銀河鉄道AAAで行こう

 

日時 4/25   

open 13:00

start 14:00-16:30

場所 夜学bar Brat

台東区 上野 2-4-3 池之端すきやビル3F

JR御徒町東京メトロ 上野御徒町上野広小路湯島駅など、最寄り駅多数!

料金 800+2 drinks 

おやつの持ち込み可。ドリンク類はお店のものをご購入ください。おやつのセットの購入も可能です。

 

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エリントン 

ハードバップとは歌謡バップなのではないのか?と思わざるを得ない小傑作。

Mal Waldron『Mal/2』(prestige)

 


Personnel;

Bill Hardman or Idrees Sulieman(tp),

Jackie McLean or Sahib Shihab(as),

John Coltrane(ts),

Mal Waldron(p), Julian Euell(b),

Art Taylor or Ed Thigpen(drms)

 


recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey, April 19 and May 17, 1957

 

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マルの写真はなぜかいいものが多いですね。

 


本作はは2日の別々のセッションを合わせて1つのアルバムにするという、まあ、プレスティッジらしいイージーな作り方なんですけども、演奏それ自体はどちらの日も素晴らしいので、結局、ハードバップの快作です。


1957年4月19日のセッション(A)が、ハードマン(tp)、マクリーン(as)、コルトレイン(ts)、マル(p)、ユーエル(b)、テイラー(drms)となり、同年の5月17日のセッション(B)が、シュリーマン(tp)、シハブ(as)、コルトレイン(ts)、マル(p)、ユーエル、(b)、シグペン(drms)となります。


CDとなって2曲のボーナストラックがつきましたが、前者のセッションが入ってます。


オリジナルの曲順は、


1.From This Moment on(B)

2.J.M.’s Dream Doll(A)

3.The Way You Look Tonight(B)

4.One by One(B)

5.Don’t Explain(A)

6.Potpourri(A)


であり、2つのセッションが混ぜられているんですが、OJCで作られたCDは、最初に(A)のセッションが6,2,5とならび、次にボーナストラックが2曲つき、(B)のセッションが、3,2,4と並んでいてまして、要するに(A)と(B)のセッションを完全に分けて並べています。

 


ジャズはLPが発売されてから、ずっとアルバム思考で作られていましたから、曲順は考えられて作っているんです。


しかし、このCDはもうアルバムではなくなって、2つのセッションを並べただけになっているんですよ(笑)


ボーナストラックを最後にくっつけるとかでしたら、まだいいんですが曲順を完全に変えてしまっては、もうコレは作品としてめちゃくちゃです。

 

ですので、コレはパソコンで取り込んで、もとの曲順に並べ替えて再生した方がよいですね。


LPで聴く場合は、この問題はありません。


さて(笑)。


マルは1950年代にリーダー作よりもとにかくサイドメンとしてプレスティッジに起用され、とりわけ、ジャッキー・マクリーンと相性が良かった人ですけども、やはり、本作でもマクリーンが参加しております。

 

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マクリーン(左)とコルトレイン(右)

 


この2人が醸し出す、異様なまでの薄暗さ、黄昏感は、ハードバップでも屈指のものがあり、本作でもそれは発揮されてます。


「J.M.’s Dream Doll」におけるマクリーンとビル・ハードマン、マルによって醸し出される不健康までに太陽を拒否するような音楽は、テクニックの巧拙を超えたところに存在する音楽で、何とはなく出しているマクリーンのアルトの音それ自体にもう痺れてしまうんですね。

 

個人的には「Don’t Exprain」の全体が啜り泣いているような、歌謡曲スレスレの世界がたまらなく好きです。


こういう体質になってしまうと、もう完全にハードバップ中毒でありまして、コレにならない人は、多分、ジャズという音楽にのめり込む事はないのでしょう。


マルの、同じところをグルグルとたどたどしく旋回しているような不思議なピアノは相変わらずで、こういうピアノは誰にも継承されていないです。


現在の音大で学ぶようなテクニックからは、間違いなく除外されているものだと思います。


コルトレインは相変わらず元気ですが(ホントに譜面に起こして完コピする事がテナーサックスを学ぶ者の必須課題みたいな見事な演奏です)、決してぶち壊すような事はせず、あくまでもハードバップのサイドメンに徹しています。


こういうハードバップのセッションに徹しているコルトレインはプレスティッジにたくさんありまして、どれも素晴らしいです。


一方のサヒブもマクリーンとは違った、なんだかつんのめったような、スムースとはいえないアルトを吹いているのがコレまた楽しく、ココを楽しめるのかどうかぎハードバップ好きになるのか否かの分岐点のような気がします。


歴史的には何ら重要でもないし、ハードバップの傑作でもないですが、ハードバップというものの、標準的な水準というのは、こういうプレスティッジが濫作していたアルバムで聴くことができ、それは、モダンジャズの短い「楽園の日々」だったのだなあ。と思ってしまいます。

 

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ライル・メイズはエリントンの晩年の組曲を後継しているのしょうね。

Lyle MaysLyle Mays』(Geffin)

 


personnel;

Lyle Mays(p, synth, autoharp),

Marc Johnson(b),

Alejandro N.Acuña(drms),

Bill Frisell(g),

Billy Drewes(as, as),

Nana Vasconcelos(perc)


recorded at The Power Station, NYC and Blue Jay Recording Studio, Carlise, MA, 1985

 


ライル・メイズというと、一般的には、かのパット・メスィーニ・グループのメンバーとして知られているのでしょうけども、寡作ながらソロ作品も作っておりました。

 

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惜しくも2020年に亡くなった、ライル・メイズ

 

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もはや説明不要のパット・メスィーニ。

 


コレはメイズの最初のソロ作品で、メスィーニ・グループがECMからゲフィンのとの契約に移っていたので、ソロ作もそのままゲフィンという大手レーベルから出ることとなりました。


コレを聴いてつくづく思うのは、メイズはメスィーニ・グループの単なるサイドメンなのではなく、このグループのサウンドのかなり重要な部分をメスィーニと共に作り上げている事がよくわかるんですね。


全曲メイズの作曲ですが、アルバムのテイストが、殊の外メスィーニ・グループなんですよね(A面2曲目「テイコ」はちょっとWRっぽいとからがありますけど)?


要するにメスィーニ・グループにおけるメイズの役割は、デューク・エリントンにとってのビリー・ストレイホーンのそれであり、両者の音楽性の見事な絡み合いこそがサウンドの核なのですね。

 

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エリントンとストレイホーン。

 


それは、例えば、スティーリー・ダンドナルド・フェイゲンウォルター・ベッカーのコンビのようにどこからどこまでがどちらの仕事なのか判別できないようなものに近いのだと思います。

 

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至高のアーバン・ミュージック・ユニット、スティーリー・ダンのフェイゲンとベッカー。

 


メイズのピアノの腕前は、本作のB面の一曲目のソロピアノ曲「Mirrors of The Heart」を聴けばわかるように、プレイヤーとして一流なのですが(彼はビル・エヴァンズを大変尊敬していました)、それ以上に重要なのがその作曲能力であり、シンセサイザーによって作り上げられる、驚くほどナチュラルにアクースティック楽器と溶けあってしまう、あのサウンドを作り上げる才能ですよね。

 


本作はメイズにベイスのマーク・ジョンソン、ドラムズのアレックス・アクーニャの、いわば、ピアノトリオ編成に、曲によってゲストを加えるという形で作られていていますが、ギターのフリゼールとベイスのマーク・ジョンソンは「ベイス・デザイアーズ」というグループのメンバーであり、メスィーニやメイズとはまた違った、フォーキーな音楽を追及しているのですが、それがメスィーニとの共演とはちょっと違う側面を見せています。

 

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マーク・ジョンソン。晩年のビル・エヴァンズ・トリオのベイシストでもありました。

 


その事が一番顕著なのが、B面の大半を占める「アラスカ組曲」で、彼の寡黙で繊細な個性が発揮された名曲であると思います。


聴いていると、ECMの作品だと錯覚してしまいそうになります。

 


組曲の最後、「Ascent」ではフリゼールの熱演ギターソロ(!)を聴くことができる点でも、今となっては貴重なアルバムといえます。

 

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若き日のフリゼール。今やジャズ界の巨人の一人です。

 


とかく、パット・メスィーニの陰に隠れてしまいがちですが(恐らく、とても控え目で慎重な人なのでしょう)、メイズという稀代のサウンドクリエイターがいたのだ。という事は特筆すべきだと思います。

 

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